Alex Moulton Bicycles

モールトンAPB 再生日記

第3章 カスタマイズ編

●Alex Moulton Bicyclesとは?

モールトン社は、イギリスの小さな自転車工房です。

アレックス・モールトン博士は、自動車の設計者として有名です。

その他のウンチクは省略します。第1章をお読み下さい。


●再生車両の紹介

1992年に発表された「AM-APB14」を、ボロボロの状態で入手しました。

塗装を剥離して、サビを落とし、いくつか小物をロウ付け、

パテ盛りで溶接跡を仕上げ直して、再塗装しました。

ここまでの作業は、第1章にて紹介しました。

 

手持ちの古いロードパーツを、規格の違いに戸惑いながら組み付け。

時には無理な組み付けによって、真新しい塗装にヒビが入り、涙を流し、、。

一応、乗れる状態までたどり着きました。

ここまでの作業は、第2章にて紹介しました。

 

その後の改造が、始まりました。


モールトン再生日記 第3章

再生20日目

●「再生」じゃないよね?

すでに乗れるようになったので、「再生」というより「改造」となりつつあります。

でも、再生上の問題点を克服するから、タイトルも「再生日記」で続けます。

今回はフロントサスです。

 

第2章で仮組みしたときに、あまりにも動きが悪いので「まるで2cmサス」と書きました。

これは、ボトムリンクのダンピングネジを締めすぎたのが原因でした。

片側3本、左右計6本のネジを緩めることで、サスは4〜5cmストロークするようになりました。

が、今度は柔らかすぎです。

ちなみに上の写真で表示した赤い線が、

乗車時(1G)で水平になるのが理想です。(ダイナベクター富成さんより)

スプリングレートが低いので、大出の体重(67kg)では1Gで70%ほど沈んでしまいます。

プリロード調整はヘッド下側の車高調整ネジで行うのですが、

これだけ柔らかいと、プリロードでは解決しません。

スプリング交換が必要です。

しかし、ダンパーがフリクション式(ボトムリンクの奴)なので、

スプリングを硬い物にしたら、ダンピングが吸収しきれなくなる可能性があります。

初期型マニトウがやっていたように、ウレタンスプリング(MCU)を使うのが理想です。

MCUは、力がかかるとすばやく縮み、ゆっくり伸びるので

ダンパー機能をもったスプリング(実際にはリニアなバネ係数じゃない)です。

硬さが解らないのですが、フロントサス用MCUは、手で触って解るくらいやわらか過ぎます。

そこで、シートポストサス用のハードエラストマーを使う事にしました。

ちょっと太さと長さが合わなかったので、加工します。

右は取り外したオリジナルのスプリングです。

左が細く削って、スペーサーで長さを合わせたエラストマーです。

エラストマーをフォークコラムのストッパーに直接付けるわけにはいかないので、

スペーサーはちょうど必要でした。

ちなみに初期型以外のAPBは、スプリングが太くなっているので

エラストマーを細く削る必要は無いはずです。

前回、組み付けの時に入れ忘れたロックリングを、今回は忘れずに入れます。

フォークを組上げて、乗ってみました。

フワフワ感が無くなり、小さな衝撃は吸収出来ません。

でも、リアサスと同じくらいの硬さなので、前後でシンクロしています。

バイクの挙動もつかみやすくなったので、コーナーの安定度がアップしました。

もう少し硬くても良かったかな?


モールトン再生日記 第3章

再生21日目

●ホィールのカバーが欲しい

AM-SPEED S。

アレックス・モールトンのラインナップ中では、最もレーシングなモデルです。

かっこ良い〜。

このAPBも、こんな感じにならないかな?

と、言うわけで安易にホィールのカバーを自作することにしました。

カバーと言っても、いろいろです。

今回はFRPで作ってみることにしました。

いろいろ調べると、FRPって案外お手軽に出来ちゃうみたいです。

で、準備したもの。

マスキングテープ(建築養生用)、FRP樹脂、硬化剤、洗浄液、グラスシート、
計量ボウル、洗浄用ボウル、スポイト、ゴム手袋、防塵マスク、脱泡ローラー、ハケ、はさみ

これで足りるのだろうか?

まぁ、とにかくやってみる。一番簡単そうな雌型を使わないで作る方法にした。

まず、マスキングテープをホィールに貼り付ける。

これを「型」にして、その上にFRPを固めれば、出来るハズ、、。

ところが、と言うかやっぱりトラブル発生。

マスキングがぐにゃぐにゃです。テープだけじゃ、成形の強度が足りないみたいです。

この形でFRPを固めてもカッコ悪い!

面倒だが、いちど剥がして貼り直します。

こんどはテープを貼る前に、ボール紙を下に敷いてみました。

その甲斐あって、なんとか平面になってくれました。

FRPの補強となるグラスシートを、ホィールよりちょっと大きめに裁断します。

フリー部分は固着しないようにマスキングしました。

こんな布きれが、FRPになるとは、、。

いよいよ今回の作業の本命

FRP樹脂に硬化剤を入れます。

硬化剤の説明書を読んでビックリ!

「火気厳禁・衝撃注意」

調べてみると、衝撃の具合によっては爆発するらしいです。

恐!

気を取り直して、作業再開。

今は2月初旬。屋内作業ですが、室温は5℃!

硬化剤の量は、通常より多めにしなければなりません。

普通はFRP樹脂に対して硬化剤の量は1%とありますから、1.5%位で良いでしょう。

(このいい加減さが失敗の元だった)

硬化剤を入れます!

ところが、またまた問題発生!

FRP樹脂の説明書きに

「金属の容器で硬化剤を混ぜない事」

ええ〜っ、計量ボウルはわざわざステンレスのを選んだのに〜。

理由は解りませんが、金属製がダメとの事なので

計量したFRP樹脂をペーパー皿に移してから、スポイトで硬化剤と混ぜ合わせます。

どうでも良いけど、かなり臭いです。

ハケでFRP樹脂と硬化剤を混ぜ合わせて、完成!

グラスシートにペタペタ塗っていきます。

塗る量も適正な量がわからないから、適当に塗ります。

たまにローラーで空気を押しだして、また重ね塗り。

ひととおり塗り終わったけど、FRPが余ったので、

無理やり全部塗りました。

面積から計算した量では、全部を使い切って適正のはず、、。

塗り終えたので、ハケやボウルを洗います。

洗浄液も臭い。

これはちょっとヤバいかも。

固まるまで数時間かかるので、今日はここまで。


モールトン再生日記 第3章

再生22日目

●固まらない?

一晩明けて、硬化の具合を確認。

が、なぜかべちゃべちゃです!

昨日の作業していたときと変わりません。

寒いから硬化時間が長いのでしょうか?

それとも硬化剤が足りなかったのでしょうか?

固まらない時は、暖めると良いと聞いたので

早速ファンヒーターの前へ移動。

お〜、確かに硬化が始まったぞ!

 

ん、あれ!ちょっと待てっ!

最大のトラブル発生!

下地のビニールテープが、ファンヒーターの熱でぐにゃぐにゃになってる!

あああああ!

もうどうしようもないっ!

これ以上ぐにゃぐにゃにならないように、ファンヒーターは中止!

でも、すでに曲った表面は直らない(泣)。

ショックです、、。

気分が思いきり凹んだので、今日の作業はここまで。


モールトン再生日記 第3章

再生23日目

●固まったけど、、。

ファンヒーター事件で、かなり落ち込みましたが気を取り直して作業再開。

しばらく放っておいたので、FRPはしっかり固まりました。

ホィールから外してみます。

あ〜。

やっぱりボコボコ。最悪の結果です。

これが記念すべきFRP作品第1号です。


モールトン再生日記 第3章

再生24日目

●懲りずにもう一度。

前回の失敗の原因は何か。

1、気温が低すぎた。

2、硬化剤の量が足りなかった(かも?)。

3、硬化剤の混ぜ合わせが完全でなかった(かも?)。

4、屋内作業で臭かった。

5、ビニールテープの養生では、強度不足。

これらを反省して、対策を練った。

まず、強度アップのために、型取りはアクリル版にする。

そしてもっと気温の高い時期にする。

硬化剤の量と混ぜ合わせは、ちょっと多めにしっかり混ぜる。

で、今日は4月。

天気は晴れ。気温15℃、かなり暖かい。チャンスだ。

あらかじめホィールにあわせてカットしたアクリル版をホィールに固定。

これを型とする。

ちなみに今回はリア左側です。

失敗ながらも右側は以前作ったので、、。

 

前回と違って表面がキレイ。平面の均一感が全然違う!

なにやら成功しそうな予感。

ここからの作業は屋外でする。

やり方は前回と同じ、1プライだ。

FRP樹脂と固形材をよく混ぜ合わせ、塗る。

いい感じです〜。

このまま固まってくれれば成功か!?


モールトン再生日記 第3章

再生25日目

●ホィールばかりで飽きた。

とりあえず、左側も出来ました。

結論から言えば、失敗でした。

でも、右側よりマシです。

やはり雌型を作らないとキレイには出来ないみたいです。

もう画像もホィールのは飽きたので、今回はこれ。

知る人ぞ知る、サンツアーGPXです。

今付けているサンツアーXCエキスパートは、ロングゲージでカッコ悪いので

変速ピッチがあうこれに交換します。

でも、そのまま付けるのは芸が無い。

理想のカンパに似せましょう。

GPX偽カンパモデルです。

まず、塗装を剥がします。剥離剤で一気に剥げました。

もとがもとだけに、こうなったら誰にも解りません(笑)。

でも剥離しただけでは偽カンパとは言えませんので、

得意のグラインダーで削ります。

なるべく角を付けて、直線的なデザインへ変わっていきます。

あとはロゴを入れるだけ。

キレイにロゴを入れる、良いアイディア無いかな?


オーバーホールに関するご意見お問い合わせは、qzv14555@nifty.com 大出まで。


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